GPSなしでもGeocachingをしてみよう。



 ジオキャッシングはやってみたいけど、いきなりGPSを買うのもちょっと辛いですよね。いや、好きなものを好きなだけ買える人はいいんですが、とりあえず大多数のそうでない(私のような)人たちを対象として。
 ここでは、「GPSを買う前に、とりあえずジオキャッシングを体験してみたい」という人を対象として、どうすればジオキャッシングの雰囲気を味わえるかを書いてみたいと思います。割と個人的な意見にあふれているので、人によっては異論もあるでしょうが、まぁ、さわりということで^^;

1.都市部でのジオキャッシング

 もしあなたの住んでいる町や、その周辺の街中にキャッシュが置いてあるようでしたら、GPSがなくても比較的簡単にキャッシュを探しに行くことができると思います。というのも、都市部では比較的大縮尺の地図が揃っているからです。

 インターネット上の地図サイトで、キャッシュの置いてある座標を指定すれば、すぐにその場所の地図が表示されます。キャッシュの種類にもよりますが、1/3000〜1/8000くらいの地図があればほぼ場所は特定できると思います。あとは、地図とキャッシュのページを印刷して、もって行けば見つけることができるでしょう。

 それでは、まずは地図サイトでキャッシュの置いてある場所を見つける方法について、ちょっとお話したいと思います。

(1)imrさんサイトのの「日本のキャッシュ」ページを使う
 たびたびの引用ですいませんm(_ _)m。こちらのページでは、各キャッシュごとに地図サイトMapionへのリンクが張られておりますので、リンクをたどり、そのまま地図を拡大すれば場所が分かります。非常に便利ですが、GPSを持ってからは、先に見てしまうと面白さが減ってしまうので我慢して大縮尺の地図は見ないようにしています^^;

(2)座標を指定して地図サイトで表示する。
 (1)の方法であらかた対応できると思いますが、キャッシュページの本文中で駐車場のありかを座標で示してる場合もあります。こういった場合は、地図サイトで座標を直接指定して探しましょう。

 まず、注意しなくてはいけないのは、「測地系」というものです。測地系とは、座標を表すときの基準となるようなものですが、これにはGPSで使われているWGS84のようなグローバルなものと、日本国内で以前より使われているTokyo Datumのようなローカルなものとがあります。
 ジオキャッシングの公式ページにはGPS標準のWGS84で座標が示されていますが、地図サイトの座標は大抵Tokyo Datumで記されています。そこで、「測地系の変換」が必要になってくるわけです。
 測地系の変換はNowralさんのページが便利かと思います。トップページから「測地系」を選ぶと変換のページに着きます。(Nowralさんに感謝!)

 それともうひとつ、混乱しやすいのが座標の表記の方法です。普通、座標の標記は北緯○○度○○分○○秒(または北緯○○°○○’○○”)といったように「度分秒」で表すことが多いのですが、ジオキャッシングでは「度分」表示をしております。
★「度分」表示を「度分秒」表示にする場合
N35°42.115→N35°42' 6.9"
「分」の小数点以下(上の例だと0.115)を60倍した数字が秒になる。
★「度分秒」表示を「度分」表示にする場合
N35°42' 6.9"→N35°42.115
「秒」を60で割り、その数字を「分」に足す。
 上記2点に気をつけて、地図サイトで座標を直接入力すればその場所が分かります。座標を直接指定する方法は地図サイトによって異なりますが、URLをみてそれらしいところをいじればよいかと思います。以下、有名地図サイトの例を挙げておきます。

MapFan Web
http://www.mapfan.com/index.cgi?MAP=E139.46.31.2N35.40.2.5&ZM=7
下線部を度分秒(秒は小数点以下1位まで)で書きます。上記の例では、東経139度46分31.2秒、北緯35度40分2.5秒をあらわしています。


Mapion
http://www.mapion.co.jp/c/f?el=139/46/30.809&scl=250000&uc=1&grp=all&nl=35/40/2.369
下線部を度分秒(秒は小数点以下3位まで)で書きます。上記の例では、東経139度46分30.809秒、北緯35度40分2.369秒をあらわしています。


★お勧めのキャッシュ★
 都市部にあり、大縮尺の地図が手に入れられるところであれば全てのキャッシュがお勧め対象です。できるだけ自分の知っている町のほうがいいですね。初めてであれば、駅などの公共交通機関から遠くなく、難易度の低いものからはじめるといいでしょう。

>>都市部のキャッシュハント実践編はこちら!

2.郊外でのジオキャッシング

##注意!山間部でのジオキャッシングは必ず山歩きに慣れた人と一緒に行いましょう##

 郊外などで大縮尺の地図がない場合は、地図の読解能力とよく利く鼻が必要とされます。
 都市部の探索に活用した上記のMapFanさんやMapionさんといった地図サイトは1/8000の縮尺まで拡大できるのですが、地形表現が乏しく、郊外向けではありません。そこで登場するのが国土地理院のwebサイトで見ることができる全国の1/25000の地形図です。
国土地理院トップページ>地理情報の閲覧・提供サービス>全国の2万5千分1地図を見る


 このサービスで、緯度経度から検索(世界測地系なので、Geocaching公式ページの緯度経度を度分秒表記に直せばそのまま使えます)を行うと、その緯度経度を中心とした地図が表示されます。
 表示された地図をクリックするとその場所の緯度経度が表示されますので、これを用いて目的とする位置を割り出してください。ただし、国土地理院も書いていますが、精度の点では保証していないようですので注意が必要です。
 目的地が大体判明したら、1の都市部でのジオキャッシングのときに用いたのと同じ方法でまわりの情報も手に入れておきましょう。GPSという武器がないのなら事前にできるだけ多くの情報を手に入れておくに越したことはありません。

 国土地理院の地図をプリントアウトするか書店などで当該地域の地形図を手に入れたら、キャッシュの位置を書き込みそこまでのアプローチを考えます。林道の入り口や、林道から外れる場所、それぞれのポイントの地形などを地図をにらみ考えていきます。鉄塔など目印になりそうなものの見える方向も考えておくといいですね。

 なお、地形図上の上(真北)とコンパスの示す北(磁北)は若干違うのでお気をつけください。この情報は地形図に記載されていますが、地図ごとに「磁針方位は西偏○○」と書かれていますので、この情報を元に地形図に磁北線を書いていきます。
 インターネットで西偏を調べる場合は国土地理院の磁気偏角一覧図をご参照くださいね。
 具体的には、地形図の縦軸(真北)から西に○○度傾けた線(左肩上がりの線)を地形図上に引いていくことになります。これと平行な線を何本も引いておくと便利ですよ。なお、これを怠ると現地で非常に困るので気をつけてください。

 地図に必要な情報を書き込んだら、ペンにコンパスと定規、地図を止める画板を用意して出発です。地図とにらめっこしながらキャッシュを目指しましょう。

★お勧めのキャッシュ★
 山の頂上や特徴的な地形や建造物(滝や橋など)の近くにあるキャッシュのほうが無難でしょう。見通しの悪そうな森の中などは避けたほうが無難です。どうしてもそのような場所に行きたいor場所しかない場合は、移動方向を変えるポイント(林道の入り口や林道から外れる場所など)ごとに、どの方向に何が見えるか、やそのポイントにいたらどの方向に道が伸びているはずか、などを事前に調べておくとともに、少しでもおかしいと思ったら引き返す癖をつけておきましょう。

>>郊外でのキャッシュハント実践編はこちら